頭部外傷とは
主に頭部が、交通事故、転倒・転落、打撃などをきっかけとした外力による力学的損傷を受けた状態を頭部外傷と言います。診断をつける際は、損傷した部位や程度によって、頭皮の創傷(切傷、挫傷、たんこぶ など)、頭蓋骨骨折、脳損傷(脳挫傷、脳内血腫、脳震盪、びまん性脳損傷 など)などに分けられます。
頭部外傷後に以下の症状がみられたら
一度ご受診ください(例)
- 吐き気を催し、嘔吐を繰り返す
- だんだん頭痛がひどくなる
- 意識が朦朧としている
- 手足を動かしにくい
- 物が見えづらい
- けいれんが起きている
- 出血がひどい
- たんこぶがよくならない
- 血液混じりの水が耳や鼻から出た
など
二次性損傷は時間の経過と共に悪化
頭部外傷のなかで、外部から頭部に直接的な衝撃を受けて損傷した場合を一次性損傷(直接的損傷)と言い、受傷後の出血によって生じた血腫形成・脳虚血・脳浮腫・脳腫脹など新たな損傷が加わった場合を二次性損傷(間接的損傷)と言います。後者の場合は時間が経過すればするほど状態が悪化しますので、速やかに治療をする必要があります。
当クリニックでは、受診された患者さんが頭蓋骨骨折や脳挫傷、脳震盪といった脳損傷が疑われる場合、頭部MRI、レントゲンによって、頭蓋骨の様子や脳内の血腫の有無などの病変を確認いたします。治療が必要と判断すれば、保存的治療を直ちに行います。また入院加療や手術が必要と判断した場合は、高次病院をご紹介します。
軽度な頭部外傷(たんこぶだけ など)につきましては、痛みが出る程度なので必ずしも医療機関で治療を行う必要はありません。ただ傷口がある場合、出血している場合には創部から細菌などが入り、感染症を起こす可能性がありますので、お早めに医療機関を受診してください。当院では縫合処置も可能です。
60歳以上の高齢者が頭部打撲をした場合、3週間以上経ってから徐々に頭の中に血腫がたまり、1~2か月後に、片麻痺、ふらつき、認知機能低下、などを発症する場合があります。慢性硬膜下血腫といいます。手術が必要ですので、早急にご相談ください。なお症状が出ていない段階で、MRIなどで血腫がたまっていることが判明した場合には、漢方薬で治療できる場合もあります。